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株やFX投資で大事な事 【損切】

目次

第1章:損切りとは何か?

「損切り(そんぎり)」とは、保有している株や資産が損失を出している状態のときに、それ以上の損失拡大を防ぐために自ら損を確定させて売却する行為です。

たとえば、ある株を1,000円で買って、現在900円まで下がってしまったとします。このときに、さらに下がる前に売って損失を確定するのが「損切り」です。

一見すると「損を確定させるなんて損した気分だ」と思うかもしれませんが、実は長期的に資産を守るためには欠かせない行動です。損切りをしないことで、さらに値下がりしてしまい、取り返しのつかない損失を抱える可能性もあります。

損切りと“塩漬け”の違い

損切りができないと、そのまま含み損を抱えたままの「塩漬け」状態になります。これは、資金を動かせなくなるだけでなく、精神的にも強いストレスになります。

投資の世界では、「負けを最小限に抑えること」が生き残る鍵になります。損切りは、そのための“防御手段”なのです。

第2章:なぜ損切りができないのか?

損切りの重要性は頭ではわかっていても、実際に行動に移すのは非常に難しいものです。これは人間の心理が強く関係しています。ここでは、損切りを妨げる主な心理的バイアスを解説します。

1. サンクコスト効果(埋没費用バイアス)

「せっかくお金を払ったんだから」「ここまで我慢してきたから」という気持ちは、投資判断にも影響します。株価が下がっても、「戻るまで持ち続けよう」と考えてしまうのは、すでに失ったお金にこだわっている証拠です。

2. 自尊心の維持

損切りをすることは、自分の判断が間違っていたと認める行為でもあります。そのため、「間違いを認めたくない」という心理が働き、損切りが遅れてしまうのです。

3. 取り返したい気持ち

「もう少しで元に戻るはず」「もうちょっと上がったら売ろう」と期待してしまうこともあります。これは「希望的観測」にすぎず、冷静な判断を妨げます。

このような心理的バイアスは、誰にでも起こり得るものです。だからこそ、感情に左右されない“仕組み”を作っておくことが、損切りを成功させる鍵なのです。

第3章:損切りが必要な3つの理由

投資において、なぜ損切りがそれほど重要視されるのでしょうか? ここでは、損切りをしなければならない3つの根本的な理由について解説します。

1. 資金を守るため

投資で最も大切なのは「資金管理」です。損切りをしないと、損失が膨らみ、最悪の場合は追加投資ができなくなるほど資金が減ってしまいます

例:100万円の資金で50万円の損失を出した場合、元に戻すには100%の利益を出さなければなりません。これは非常に困難です。

2. チャンスロスを防ぐため

塩漬け状態の株を持ち続けていると、新たな投資機会に資金を使えなくなります。「ダメな銘柄」に資金を固定してしまうことで、将来の「伸びる銘柄」に投資できないという、いわゆる“機会損失”が発生します。

3. 精神的ストレスを軽減するため

損失を抱えたままの状態は、大きなストレスになります。画面を見るたびに気分が沈んでいき、投資判断も冷静さを欠いていきます。

損切りは、「精神的なリセット」の意味もあるのです。早めに損切ることで、冷静さと前向きな気持ちを取り戻せます。

これら3つの理由からも、損切りは「負け」ではなく、長期的に勝つための戦略的判断だといえるのです。

第4章:損切りルールの作り方とテクニカルを使った実例

損切りが苦手な人でも、事前にルールを決めておくことで、感情に流されずに実行できるようになります。この章では、損切りルールの作り方と、テクニカル分析を活用した実践例を紹介します。

1. 数値で明確に決める(%ルール)

まず基本となるのが「購入価格から何%下がったら損切りするか」という明確な数値設定です。

例:

  • 購入価格から5%下落したら損切り
  • 最大で資金の2%までの損失にとどめる

このように定量的なルールを設定することで、迷いが生まれません。

2. テクニカル分析を活用する

チャートを活用して損切りラインを判断する方法は、感情に頼らず“相場の動き”に従った冷静な判断を可能にします。以下のようなテクニカル指標が有効です。

● 移動平均線割れで損切り

中長期で意識されやすい「25日移動平均線」や「75日移動平均線」を基準に、終値がそれを下回ったら損切りするという方法です。

例: 株価が25日移動平均線を終値ベースで2日連続割ったら売却。

● サポートライン(支持線)割れで損切り

過去に何度も反発していた価格帯(支持線)を下抜けたら、損切りサインと判断します。

例: 1,000円付近で何度も反発していた銘柄が、950円で終値をつけた → サポートライン割れ → 損切り。

● レンジブレイク(ボックス割れ)で損切り

株価が一定の範囲内で動いていた「レンジ相場」を下にブレイクした場合も、下降トレンド入りのサインとして損切り判断を行います。

例:800円〜900円で推移していた銘柄が、790円で下抜け → レンジ下限ブレイク → 損切り。

3. レジスタンスラインの変化にも注意

1度割れたサポートラインは、今後「上値抵抗線(レジスタンス)」として機能することが多く、反発が難しくなります。そのため、ラインを割った時点で素早く対応することが重要です。

4. ダマシに注意しつつ、終値で判断

ヒゲだけで一時的に割れたように見える“ダマシ”もあるため、「終値で割れたかどうか」を基準にすることで誤判断を防げます。

5. 逆指値(ロスカット注文)を活用する

感情に流されず自動で損切りできる「逆指値注文(ストップロス)」を活用するのも有効です。

例:株価が1,000円のときに、950円以下になったら自動で成行売りという注文を設定しておく。

これらのテクニカルとルールを組み合わせることで、「冷静・自動的・再現性のある損切り」が可能になります。最初は難しく感じるかもしれませんが、損切りをルーチン化することで、投資の安定感は大きく向上します。

第5章:損切りが上手くなった実例

ここでは、損切りがうまくできずに失敗した経験、そしてルールを作って改善できた体験談を紹介します。

【よくある失敗例】損切りできずに塩漬け株へ

投資を始めたばかりの頃、ある有名企業の株を「今後伸びるはず」と思い、1,200円で購入しました。しかし、決算で業績が悪化し、株価はじわじわと下落。1,000円、900円…と下がっていっても、「そのうち戻るだろう」と信じて放置していました。

最終的には700円台にまで落ち込み、含み損が30%を超える頃には完全に売れなくなっていました。損を確定したくない、という感情が判断を鈍らせたのです。

【改善】ルールを作ってから損切りに迷いがなくなった

この経験を機に、「次からは必ず損切りラインを決めてからエントリーする」と決意しました。

  • 5%下がったら自動で損切り(逆指値)
  • 移動平均線を2日連続で割ったら売却
  • サポートライン割れを損切りトリガーにする

すると、不思議なことに損失を小さく抑えられるだけでなく、次のチャンスにすぐ乗れるようになったのです。特に、資金効率が大きく改善し、「利小損大」から「損小利大」へと流れが変わりました。

【実感】損切りは負けではない

投資で損切りをすることは「失敗」や「負け」ではありません。それは未来のチャンスをつかむための準備であり、自己管理を徹底している証拠です。

損切りを正しく行えるようになると、相場に対する怖さが減り、トレードにも自信が生まれます。これは、すべての投資家が目指すべき状態と言えるでしょう。

第6章:まとめ – 損切りは“守りの武器”である

損切りは、投資において最も避けたい行為と思われがちですが、実は長く市場に残るための最も重要な戦略です。

人は感情の生き物です。損を確定させることに強い抵抗を感じるのは自然なことですが、それでも冷静な判断を下すためには、「あらかじめ決めたルールに従う」ことが必要不可欠です。

本記事で紹介したように、テクニカル分析や価格ベースのルールを使って明確な損切りラインを設ければ、感情ではなくロジックで行動できるようになります。

✔ 損切りの心得をおさらい

  • 損切りは資金を守る“盾”である
  • 感情に流されないためのルールを持つ
  • テクニカル分析を活用すれば精度が上がる
  • 損切りを重ねることで投資に対する恐怖が減る

最初は損切りに痛みを感じるかもしれません。しかし、それは「勝つための痛み」であり、トータルで利益を残すための小さな出費なのです。

これからも相場と向き合っていく中で、自分だけの損切りルールを磨き、“生き残る投資家”としてのスキルを高めていきましょう。

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